2009年10月21日

現役 鍼灸師Kの「思うところを述べよ!?」 vol.190 治療の刺激量と年齢

★ Magazine from 鍼灸治療院 和み堂 ★
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現役鍼灸師Kの「思うところを述べよ!?」
※※※※※※※※※※※※ vol.190 ※※
※※※※※※ 2009年10月20日 発行 ※※
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◆◇◆ 今日のお題 ◆◇◆

 1.院長コラム〜治療の刺激量と年齢
 2.今日のツボ〜今回はお休みさせていただきます。
 3.あとがき

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 私の住む神戸でも朝晩の冷え込みは厳しくなって参りました。さすがの暑がりの私も薄い毛布を使用するようになってきました。まぁ、半そで、短パンで寝ているからでしょうけどね。(爆)
とにもかくにも、朝晩と日中の気温差が非常に身体にこたえる季節ですから、体調管理には日ごろより気を配りたいところですね。新型インフルエンザや季節性の風邪も流行っているようですからね。

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 1.院長コラム〜治療の刺激量と年齢
────────────────────
日々の治療の中で、この患者さんに対する刺激量はちょうど良いか?と、ふと思うことがあります。

鍼灸でも按摩・マッサージでも刺激量というのはとても大切な要素になります。が、これが難しい。

個々の身体はもちろん別のものですし、体質、生活スタイル、体格、職業など条件、状態が全く同じ人は二人といない訳ですから、おのずと適切な刺激量は変わってきます。

私は治療の際には必ず脈診を行います。それは按摩・マッサージの時も必ず行います。鍼灸治療の場合はそれに加えて腹診や切経(経絡の診断)なども行います。それに問診から得られた事や体格などから刺激量を決定し治療をスタートします。

ところが、こちらが診断に基づいて決めた刺激量と患者さんが主観的に求める刺激量が必ずしも一致しないのです。そして、これは特に年輩の方に按摩・マッサージをする時にもっとも感じます。

このような方はたいてい強い刺激を求める傾向にあるのですが、ではなぜそのような刺激量を求めてしまうのかを考えてみたいと思います。

まずひとつ目の理由としては、筋肉が凝り過ぎて感覚が鈍くなっているということが考えられます。しかし、これは年輩の方に限ったことではないので、要因のひとつにはなっても決め手にはなりません。

二つ目の理由としては、年齢とともに身体の感覚は鈍くなってきますので、外からの刺激に対して感覚が少し鈍くなっている。

三つ目の理由としては長年、強い刺激による治療を受けており、刺激に対して感覚が慣れてしまっている。

四つ目の理由としては、刺激量が多い=効果が高いという先入観がある。

以上のようなことが理由として考えられるでしょうか。
ひとつめの理由は年齢にはあまり関係ないところですが、二つ目から四つ目の理由は年齢を重ねれば重ねるほど身体に染み渡っていることが多く、強固なものになっている可能性があります。

また、地域の特性も深く関係している可能性があります。

現在は以前ほどではありませんが、関西圏では強い刺激を求める傾向が強かったと聞きます。按摩・マッサージでは”関西は強揉みやから・・・”というようなことは現在でも言われていますね。

関西圏から他の地域に引越しや単身赴任、出張で行かれた際に施術を受けたところ、刺激量が足りなかったという話もしばしば聞きますので、それだけ関西圏では刺激量が多いと言えると思います。

さて、強い刺激を求めることについてはいくつか要因がありますが、果たして刺激量が多ければ効果は高くなるのでしょうか?

これははっきり言って相関関係は無いと思います。
”過ぎたるは及ばざるが如し”ということわざもあるように、ある一線を越えてしまうとかえって逆効果になります。

鍼治療で言えば中国鍼は和鍼よりも太く長い鍼を使用しますが、その分、刺激量も多くなります。刺激量が多い分、ハードな治療となり、基礎体力が低い方には結構きついということになります。また、身体が回復する前の倦怠感や一時的な症状の増大などいわゆるメンゲン反応が強く出ることも考えられます。
これは最終的に身体が楽になるのだから、一見、良いとも言えますが、回復に向かう過程は非常にきついですし、場合によっては回復に至るだけの体力が足りず、症状を長引かせる可能性もあります。

按摩・マッサージで言えば、必要以上の強刺激の施術では筋線維や筋原細胞にダメージを与えてしまう可能性もありますし、強刺激を反復して受けることで筋線維などが歪になり、筋自体の弾力性が失われたり、凝り感が強くなることも考えられます。

以上のようなことを考慮すると、強刺激にはリスクも多いということになります。もちろん全く刺激を感じないような弱刺激では身体を回復に導くための刺激すら得られないということになりますが、強すぎない刺激量の施術を受けるということがとても大切なことということですね。

また、高齢者や乳幼児、児童では刺激に対する感度もかなり差がありますし、刺激量をどの程度自覚できるかという問題もあります。なので、ちょうど良い刺激量というものを主観のみで判断するのではなく、私の場合では脈診などになりますが、客観的な情報も合わせて判断するということが重要です。

今まで強い刺激の治療を受けてきたという方は、一度、弱めの刺激で施術を受けてみて下さい。そして、何度かその刺激量で治療を続けてみて下さい。きっと、今までとは身体の感覚が変わってくると思いますよ。

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 2.今日のツボ
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今回はお休みさせていただきます。
────────────────────
 3.あとがき
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新型インフルエンザのワクチン接種が始まりました。ワクチンの回数を1回にするか2回にするかでもめているようですが、これだけ蔓延している状況でワクチン接種が本当に必要かどうかもきちんと考えなくてはいけませんね。

リスクがあっても必要な方はワクチン接種をすると良いと思いますが、そうでない方は必要かどうか、よく検討する必要があると思います。

それにワクチン接種をしたからといって、罹患しないという訳ではないので、体力を維持しておくということは大切ですし、世の中に存在するウィルスや細菌は新型インフルエンザだけではないですから、何においても養生をしておくことは重要だと思います。

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2009年09月21日

現役 鍼灸師Kの「思うところを述べよ!?」 vol.189 "精神と肉体"

メルマガは予約配信で明日の配信ですけど、こちらに先にアップしてしまいます。
前回、かなり配送遅延があったようですし、せめて、こちらは即時ということで。

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現役鍼灸師Kの「思うところを述べよ!?」

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新型インフルエンザが徐々に広がっているよ
うです。治療院の近くの小学校でも学級閉鎖
が3クラスあるそうです。
シルバーウィークで人の移動が多いことや大
勢の人が集まるところでは更なる感染拡大が
あるかもしれません。注意が必要ですね。

◆◇◆ 今日のお題 ◆◇◆

 1.院長コラム〜精神と肉体
 2.今日のツボ〜督脈系の続き
 3.あとがき

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 1.院長コラム〜
────────────────────

とある記事に不景気になるとスピリチャル系
の番組が増加すると書いてあった。そして、
TV各局は番組制作のためのキャスティングに
苦慮しているという。

いささか分からなくもないが、TVというよう
な大きなメディアがそういう動きをすると、
身体の偏重を訴える人が必ず増加する。

ただでさえ、不景気の影響を実感している方
が増加しているのに、さらに精神不安をあお
るようなことをメディアがすれば、状況は悪
くなるのはある意味、当然だろう。
東洋医学というか伝統医学と言われる分野で
は「心身一如」という言葉が重要視されてい
る。

私のブログも同じ名称を使用しているぐらい、
重要な言葉だ。

心身一如とは心と身体は一体のものであると
いう意味で、心と身体は相互に深い関わりを
持つのである。

この心(精神)と身体(肉体)の関わりは良
い方向に働くこともあれば悪い方向に働く場
合もある。

精神が不安などにさらされると身体はそれに
呼応して不調を訴える場合がある。逆に身体
の偏重が精神に悪影響を与えることもある。


そのようなことを考えると、TVなどの内容は
影響力が強いだけに配慮して欲しいと思う。


それから、番組内容について言えば、様々な
方の悩みがあきらかにされる、その内容はさ
まざまであるが、同様の悩みを持つ者にとっ
ては強い共感を得ることだろう。

しかし、共感はできたとしても、番組内での
解決法などは必ずしもその共感者には当ては
まらない。そのような場合、共感することで、
さも自分自身の悩みのように感じた精神が行
き場を失ってしまわないか心配である。

番組では是非、不安などを残さないような配
慮をして欲しいと思う。

それから、精神と肉体は相互に関係している
のだから、双方ともに良好な状態が保ってい
られれば、それに越したことはないが、なか
なか難しいのが現実である。

しかし、何も恐れることはない。日ごろから
の少しの心がけでバランスを大きく崩さない
ようにすることは可能だ。
その代表的なものは充分な睡眠を取ることだ。
肉体の疲労回復だけでなく、深い眠りは脳に
も休息を与えてくれる。

幸いなことに気候は、非常に眠りやすい状態
にある。是非、夜更かしなどは控えて、ゆっ
くり眠って頂きたいと思う。

現時点で、なかなか眠れないという方は相談
していただければ良いと思うが、場合によっ
ては専門医の指導を仰ぐことも必要である。


眠りやすい環境を整えるということを意識し
て、就寝予定時刻の1時間前には眼を酷使す
るようなTV関衝、PC使用などは避け、証明を
少し落とし、身体をほどよく温めるような飲
み物などを召し上がり、ゆったりとした時間
を過ごしていただくと良いと思う。

────────────────────

 2.今日のツボ〜督脈系の続き
────────────────────


督脈系の続きです。今回ご紹介する分で督脈
系は終了です。いやー、長い長い。督脈系も
比較的長い経絡なので、つぼの数も多いので
す。

■顋会(しんえ)
取穴部位:前髪際に入ること2寸、正中線上
に取る
  筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
  血管:眼窩上動脈
 主治症:激しい嘔吐、胃酸過多症、二日酔
い、神経衰弱、嗜眠症、低血圧、肥厚性鼻炎、
鼻塞、嗅覚障害など蓄膿症症状、涙嚢炎など

コメント:鼻疾患には著効があると思います。


■上星(じょうせい)
取穴部位:前髪際に入ること1寸、正中線上
に取る
  筋肉:帽状腱膜、前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:滑車上神経、眼窩上神経
  血管:滑車上動脈、眼窩上動脈
 主治症:脳貧血、脳充血、頭痛、めまい、
眼疾患、鼻出血など
コメント:主治症にはありませんが、このツ
ボも鼻疾患にもよく効きます。

■神庭(しんてい)
取穴部位:前髪際に入ること5分、正中線上
に取る
  筋肉:帽状腱膜、前頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:滑車上神経、眼窩上神経
  血管:滑車上動脈、眼窩上動脈
 主治症:癲癇、人事不省、鼻カタル、蓄膿
症など
コメント:上の顋会や上星などもそうですが、
反応はよく出るツボですけど、そんなに使用
頻度は高くないと思います。

■素リョウ(そりょう)
取穴部位:鼻尖の中央陥凹部に取る
知覚神経:眼神経
  血管:顔面動脈、鼻背動脈
 主治症:鼻づまり、喘息、鼻出血、涙嚢炎、
鼻茸、鼻瘡、顔面神経麻痺など
コメント:これは使用したことはないです。
接触鍼ならともかく刺針すると痛いと思いま
す。

■水溝(すいこう)
取穴部位:鼻中隔の直下にあり、人中の中央
に取る人中とは鼻から口唇の間で鼻孔の間の
溝のようにへこんでいる部分。
  筋肉:口輪筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:上顎神経
  血管:上唇動脈
 主治症:脳充血、脳溢血、癲癇、顔面神経
麻痺、糖尿病、水腫など
コメント:古書のなかでも時々出てくるツボ
ですが、使用したことはないです。これも刺
針すると痛いのではないかと思います。

■兌端(だたん)
取穴部位:上唇の上端正中にあり、外皮と粘
膜の間に取る
  筋肉:口輪筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:上顎神経
  血管:上唇動脈
 主治症:三叉神経痛、歯齦炎、糖尿病、鼻
出血、黄疸、痔疾患など
コメント:このツボも使用したことはないで
す。やっぱり痛そうです。

■齦交(ぎんこう)
取穴部位:上歯齦の前面正中、上唇を反転し
て上唇小帯の直下に取る
知覚神経:上顎神経
  血管:前上歯槽動脈
 主治症:鼻・眼の疾患、黄疸、項頚痛など

コメント:少し部位が分かりにくいツボかも
しれませんが、上唇を引っ張ると、ちょうど
真ん中に薄い膜のような組織があります、こ
れが上唇小帯でその付け根に摂ることになり
ます。まず、治療で使用することはないツボ
です。

今回ご紹介した7穴で督脈系は終了です。頭
部のツボは頭痛や鼻閉、鼻漏などの時に圧迫
するだけでも著効があるものも多いです。ま
た、頭部は結構引きつっている方も多いです
ので、順に圧迫してみて気持ちよいところを
探してみてください。

────────────────────

 3.あとがき
────────────────────

新型インフルエンザについてはコラムで書い
たように不安が感染を呼ぶこともあります。
正しい情報で判断したいものです。TV、ラジ
オなどの情報は一方通行ですので鵜呑みにし
ないようにしましょう。、

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2009年08月21日

現役鍼灸師Kの「思うところを述べよ!?」 vol.188 夏ばてと食

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 沖縄ではインフルエンザが大流行している
ようです。沖縄の夏は湿度が比較
的低く、過ごしやすいはずなのですが、それ
が今回の流行とも関係しているの
でしょうか。それとも夏ばてで体力が消耗し
ている方が多いのでしょうか。

◆◇◆ 今日のお題 ◆◇◆

 1.東西医学の豆知識〜夏ばてと食
 2.今日のツボ〜督脈系の続き
 3.あとがき

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 1.東西医学の豆知識〜夏ばてと食
────────────────────

今夏は全国的に天候不順による日照不足で農
作物に与える影響が心配されてい
ます。

ここ神戸も梅雨明けが8月に入り、その後も
けっこうな量の雨が降ったりで、
夏としては過ごしやすい年とも言えます。

とはいえ、日中の暑さは以前に比べれば厳し
いのが現実ですし、お盆休みで気
が抜けて、一気に気力、体力が低下してしま
っている方も多いのではないでし
ょうか。

そんな貴方には是非、食事を見直してみるこ
とをお勧めします。なんと言って
も後天的に獲得するエネルギーは空気と食事
しか基本的には無いのですから。


ということで、今回は夏ばて対策というか、
1年を通して言えることですが、
食事や食材についてご紹介します。

最近は健康食品やサプリなどいろいろ話題に
上がりますが、ここでは西洋栄養
学的な特定の成分がどうのこうのという話で
はなくて、気候や風土を考慮した
東洋医学での食事、食材の考え方についてご
紹介します。

東洋医学というか東洋思想では基本は陰陽五
行説ということになります。万物
は陰と陽に分けることができ、そのバランス
で様々な状態を作り出しています。


体調不良の時は体内での陰陽バランスが崩れ
ていると考えます。

そして、この陰と陽は食材についても陰の性
質を持つ物、陽の性質を持つ物が
あり、それらをうまく組み合わせ、さらに気
候による陰陽の変動を加味するこ
とで、その季節に尤も調和した食事を摂取す
ることが可能となるという訳です。

まず、季節の陰陽を説明しておくと、夏は尤
も陽のエネルギーが強い季節にな
ります。そして、徐々に陽のエネルギーは減
少し、陰のエネルギーが盛んにな
ってきます。そして冬に陰のエネルギーは最
高点に達し、それが徐々に低下
して春が訪れます。そして春からまた陽のエ
ネルギーは徐々に増加し、再び夏
となり、陽のエネルギーが最高点に達すると
いうサイクルを日本では毎年行わ
れています。

季節の中でも過ごしやすいとされる春や秋は
陰陽のバランスで言っても陰都陽
の偏りが少なく、身体に与える影響も少なく、
過ごしやすいのだと言えます。


次に食材について述べます。食材にも陰と陽
の性質があり、両方を兼ね備えた
ものもあります。そして、基本的にはその食
材の旬の時期に遭った性質を持ち
合わせています。

なので、夏に旬のある食材は夏の盛んな陽の
エネルギーに対抗すべく陰の性質
を持つ食材が多く、冬はその逆ということに
なります。

では、陰、陽それぞれについてどのような性
質があるのか述べていきたいと思
います。

1.食品、食材
 食品、食材にはいろいろなものがあり、そ
れぞれに陰陽の性質を持っていま
す。それは植物性食品でも動物性食品でもど
ちらでも陰陽の性質があります。海草類は陰
陽の偏りが少ないものが多いです。

しかし、大まかに分けた場合は下記に示すよ
うな分類で考えていただければ良
いと思います。

a.基本的な陰の性質の食品、食材→植物性食
品、砂糖、穀物、
果物、野菜、海草、など。

b.基本的な陽の性質の食品、食材→動物性食
品、塩、肉、
魚介類、卵など。

2、植物性植物の特徴
 植物性食品、食材について、植物性食品の
中でももちろん陰、陽それぞれの
性質を持っていますので、その簡単な見分け
方をご紹介します。

(1)色彩
a.陰(左に行くほど陰の性質が強い)
  白←青←藍←紫
b.陽(右に行くほど陽の性質が強い)
  黄→橙→赤→黒

(2)味
a.陰(左に行くほど陰の性質が強い)
  えぐい←辛い←酸っぱい
b.陽(右に行くほど陽の性質が強い)
  塩辛い→にがい→しぶい

(3)形状
a.陰 大きく、長い
b.陽 小さく、短い

(4)水分量
a.陰 水分量多い。湿性。
b.陽 水分量少ない。乾性。

(5)エネルギーの方向
a.陰 遠心性。拡散。植物の葉、果肉。
b.陽 求心性。凝縮。植物の種子、根。

(6)育つ方向
a.陰 地上に育つ
b.陽 地下に育つ

(7)体温への影響
a.陰 摂取すると身体を冷やす。
b.陽 摂取すると身体を温める。

3.代表的な陰陽それぞれの食品、食材
 植物性、動物性、魚介類などの中から代表
的な食品、食材をご紹介します。上
記に示したような特徴も含めて個々の食品、
食材を選んで献立を考えていただ
ければ良いと思います。

(1)陰の性質の食品、食材

a.野菜
レタス、アスパラガス、アロエ、セロリ、ピ
ーマン、茄子、きゅうり、もやし、
ほうれん草など。

b.果物
バナナ、レモン、キウイ、メロン、マンゴー、
パパイヤ、グレープフルーツ、
スイカ、みかん、梨、柿、すもも、いちご、
トマト、いちじくなど。

c.穀物
トウモロコシ、じゃがいも など。

d.魚介肉類
くらげ、あわび、牡蠣、はまぐり、あさり、
しじみ、うに、かに、タコ、スッ
ポン、鴨肉、馬肉、牛・豚の腎臓など。

e.海草類
のり、寒天、昆布など

f.調味料
白砂糖、合成酢、合成甘味料、化学調味料、
化学添加物、バター、マヨネーズ
など。

g.飲み物
牛乳、豆乳、果実ジュース類、サイダー、コ
ーラ、アイスクリーム、青汁、コ
ーヒー・缶コーヒー、緑茶、ウーロン茶、ウ
イスキー、ビールなど。

h.その他
添加物の多い練り物、豆腐、菓子類、ケーキ、
カレー、菓子パン、うどん、タ
バコ、ビタミンCなど。

(2)陽の性質の食品、食材

a.野菜
蓮根、ゆりね、ごぼう、じねんしょ、かぶ、
しょうが、にんにく、たまねぎ、
にんじん、朝鮮人参、かぼちゃ、ねぎ、にら、
水菜、春菊、みつば、小松菜、
芹、ふき、キャベツなど。

b.果物
リンゴ、桃、栗、梅、ざくろ、くるみ、なつ
め、サクランボ、アンズ
プルーン、レイシなど。

c.穀物
黒米、もち米、そら豆、いんげん豆、ひえ、
あわ、きび、そば、ごまなど。

d.魚介肉類
あじ、いわし、さんま、さば、ぶり、たい、
ふぐ、あなご、うなぎ、えび、ど
じょう、わかさぎ、なまこ、くじら、鶏肉、
牛肉、鹿肉、羊肉、牛・豚・鳥の
肝臓・胃袋・腸など。

e.調味料
自然塩、本醸造醤油、味噌、黒酢、本醸造酢、
本醸造みりん、ごま油、黒砂糖、
ゆず、わさび、ブラックペッパー、マスター
ド、シナモン、ナツメグ、ローリ
エ、パプリカなど。

f.飲み物(暖めたもの)
黒米茶、紅茶、ほうじ茶、中国茶、ハーブ茶、
生姜湯、ココア、日本酒、焼酎
湯割り、紹興酒、赤ワインなど。

g.その他
黄な粉、はったい粉、塩辛、梅干、沢庵、天
日干切干大根、イカ墨、こうじ、
酒粕、納豆、卵、ビタミンEなど。

 以上にあげた食品、食材はほんの一部です
が、これらを参考に季節変動も加
味して献立を検討していただくと、より身体
にやさしい食生活が遅れると思い
ます。

また、調理法によっては、陰の性質の食品で
も陽の性質に変化するもの
もありますので、細かいことまで考えるとな
かなか献立が難しくなってしまい
ますので、まずは大まかに陰の性質か陽の性
質かなどを検討していただくと良
いと思います。

調理乗の組み合わせとしては陰の性質のもの
は全体の3割程度にして、それ以
外は陽の性質のもの、陰陽の偏りが少ないも
ので構成すると良いでしょう。陰
陽の偏りが少ない食品、食材は上記のリスト
には掲載していませんが、上記リ
ストに入らないもので思いつく代表的な食品、
食材は偏りの少ないものと理解
していただいて、差し支えないと思います。


それから、上記のリストをみていただければ、
夏に旬のある食材は陰の性質が
強いですし、南方で取れるものは、やはり陰
の性質が強いと言えると思います。

ですから、基本的には旬の食材を選択して、
旬をはずした食材はあまり使用し
ない、できれば使用しないというのが好まし
いでしょう。


────────────────────

 2.今日のツボ〜督脈系の続き
────────────────────


 督脈経の続きをお送りします。なかなか進
みませんが、ぼちぼちいきましょ
う。(^_^;)

■身柱(しんちゅう)
取穴部位:第3胸椎棘突起の下に取る。
  筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
  血管:肋間動脈背枝
 主治症:神経衰弱、神経症、精神病、脳軟
化症、舞踊病、肺結核、胸膜炎、
気管支炎、風邪、咳嗽、喘息、小児癲癇、百
日咳、吐乳、小児麻痺など。
コメント:小児疾患や精神疾患によく使用し
ます。澤田流ではひとつ上の棘突
起間に取穴しますが、小児疾患に身柱穴に施
灸効果が高いとされています。

■陶道(とうどう)
取穴部位:第1胸椎棘突起の下に取る。
  筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯
知覚神経:胸神経後枝
  血管:肋間動脈背枝
 主治症:頭痛、頭重、眩暈、項部強直、脳
充血、高血圧症、感冒による諸症
状など。
コメント:次の大椎穴とともに感冒症状にも
よく使用します。

■大椎(だいつい)
取穴部位:第7頚椎棘突起の下、第1胸椎棘突
起との間に取る。
  筋肉:棘上靭帯、棘間靭帯、棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:頚神経後枝
  血管:頚横動脈上行枝
 主治症:肺結核・結核性疾患の発熱、嘔吐、
鼻出血、肩・首のこり、扁桃炎、
上肢痛、小児麻痺、痔疾患、骨の疾患、感冒
様症状など。
コメント:風邪症状にも効果があります。ま
た、下熱作用もあります。大椎は陽
の脈気が交わるところでもあるので、陽気の
働きを整え、体表の防御力を強く
してくれます。

■ア門(あもん)
取穴部位:項窩の中央、後髪際を入ること5
分の陥凹部に取る。後髪際は後頭
部側の生え際。実際にはもっと襟足の長い人
が多い。
  筋肉:項靭帯棘間筋
運動神経:脊髄神経後枝
知覚神経:頚神経後枝
  血管:頚横動脈上行枝
 主治症:言語障害、嗄声、後頭痛、脳膜炎、
脊髄炎など。
コメント:言語障害に高価が高いとされてい
ますが、肩こりなどにも効果があ
ります。

■風府(ふうふ)
取穴部位:外後頭隆起の下方にあり、後髪際
を入ること1寸に取る。
  筋肉:項靭帯
知覚神経:大後頭神経
  血管:後頭動脈、頚横動脈上行枝
 主治症:運動神経麻痺、言語障害、中風、
蓄膿症、肥厚性鼻炎、
慢性鼻炎、脳充血、脳出血、高血圧症、頭痛、
ノイローゼなど。
コメント:あまり使用したことがないツボで
すが、鼻淵など鼻疾患には効果が
ありました。

■脳戸(のうこ)
取穴部位:外後頭隆起上際の陥凹部に取る。

  筋肉:後頭筋
運動神経:顔面神経
知覚神経:大後頭神経
  血管:後頭動脈
 主治症:脳充血や三叉神経痛による顔面部
の痛み、後頭神経痛、のぼせなど。
コメント:このツボもあまり使用したことが
ないですね。

■強間(きょうかん)
取穴部位:脳戸穴の上1寸5分、百会穴の後3
寸、正中線上に取る。
  筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経
  血管:後頭動脈
 主治症:項部のこり、嘔吐、頭痛、めまい
など。
コメント:このツボもほとんど使用したこと
はないです。

■後頂(ごちょう)
取穴部位:百会穴の後、1寸5分、正中線上に
取る。
  筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経
  血管:後頭動脈
 主治症:脳疾患、項部のこり、冷汗、不眠
症、頭痛、頭重、嘔吐、めまいな
ど。
コメント:このツボもあまり使用したことは
ないです。頭がすっきりしない時
やのぼせがある時に指で圧迫すると楽になる
ことがあります。

■百会(ひゃくえ)
取穴部位:前髪際を入ること5寸、正中線上
に取る。前髪際は額の生え際のこ
と。
  筋肉:帽状腱膜
知覚神経:大後頭神経、眼窩上神経、耳介側
頭神経
  血管:眼窩上動脈、浅側頭動脈、後頭動

 主治症:脳充血、脳出血、高血圧、耳鳴り、
めまい、神経症、不眠症、健忘
症、動悸、副鼻腔炎、痔疾患、頭痛、癲癇、
精神病など。
コメント:百会穴は非常によく使用するつぼ
のひとつです。頭頂部で陽気の交
わるところ、「百」は多いことを示し、多く
の脈気が会うところで、重要とい
う意味があります。精神的疲労が多い時や頭
に血が昇っているような時に置鍼
しておくと良いですね。

■前頂(ぜんちょう)
取穴部位:百会穴の前1寸5分、正中線上に取
る。
  筋肉:帽状腱膜
知覚神経:眼窩上神経
  血管:眼窩上動脈
 主治症:頭痛、めまい、小児ひきつけ、顔
面の充血・腫れなど
コメント:頭部に気穴が昇っている時などに
使用します。百会穴、後頂穴とと
もに指で圧迫するとのぼせが解消することが
あります。

以上、10穴をご紹介しました。今回のご紹介
分で特に重要なツボは百会穴、大
椎穴、身柱穴でしょうか。非常によく使用す
るところです。また、身柱穴は小
児の疳の虫などにも使用しますし、自宅での
治療法なども指導しています。

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 3.あとがき
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 新型インフルエンザに罹患した方で死亡す
る例が出てきました。今のところ
基礎疾患がある高齢者ということですが、小
児、児童にも重症例が出てきてい
ます。

注意は必要ですが、過剰反応を起こさずに冷
静に対処することが重要だと思い
ます。基本は予防です。手洗い、うがい、そ
れから食生活です。マスクの効果
の是非はありますが、少なくとも風邪症状が
ある方はマスクをした方がよいで
しょうね。


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 17:08| Comment(2) | TrackBack(0) | メルマガバックナンバー