2018年02月06日

新しいトリガーポイント療法


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2月4日(日)は兵庫県鍼灸マッサージ師会 神戸ブロック 臨床研修会に参加してきました。

「観察研究からみえてきた新しいトリガーポイント療法」との演題で関西医療大学 保健医療学部 はり灸スポーツトレーナー学科 助教 北川洋志 先生をお迎えして講義と実技指導を行なっていただきました。
トリガーポイント療法を私は取り入れている訳ではないのですが、一応の基礎理論は書籍などで知ってはいますし、結果としては局所治療では経絡治療でも同様のことを施している場合もあります。

そんなトリガーポイント療法ですが、演題に「新しい」と付いているように、従来のトリガーポイント療法の進化型というか、以前の理論だけではカバーできていなかった部分を補っている理論が腑に落ちた感じがしました。

従来のトリガーポイントの定義は「筋硬結中の刺激により関連痛を引き起こす部位」ということで、筋や筋膜上に出現したいわゆる「凝り」を刺激すると患部に関連痛を生じる場所ということになります。なので、その硬結の除去や循環改善に焦点があてられています。

確かに硬結部位がトリガーポイントとなっていることも多いですが、硬結ではない部位であっても同様に関連痛を引き起こす部位もありますし、また筋や筋膜上だけではなく、腱や靭帯や骨膜などにもトリガーポイントを生じることも知られています。

上記を踏まえて、新しいトリガーポイントの捕らえ方としては痛みを感受する受容器(センサー)は筋や筋膜以外の腱や靭帯、骨膜などにも存在し、神経を除く運動器の痛みの発生源がトリガーポイントということが言えます。

通常は圧迫などをしても痛みを感じない強さで刺激した際に、受容器が過敏になっていることで痛みを生じる部位がトリガーポイントという捕らえ方になります。

では、従来のように硬結部位がトリガーポイントとなっていればまだ分かりやすいですが、ソウでない場合のトリガーポイントをどうやって見つければいいのか?

受容器が過敏科しやすい条件としては…
  1.何度も刺激される部位・・・姿勢保持筋や運動や仕事でよく使う所。
  2.強く刺激される部位・・・筋の起始停止や筋腱移行部などの異構造接合部。

以上の周辺で基本的には筋収縮動作で痛みを感じるところでトリガーポイントを探し、刺激した際に痛気持ちいい痛みを感じるところをトリガーポイントとするということになります。

今回の新しいトリガーポイント療法は局所治療法として有効な方法のひとつではないかと思います。
また、従来の理論でトリガーポイント療法を行なっている方にはもっと治療の幅を広げることに繋がるんじゃないかと思います。

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posted by 鍼医Kまたはハリー at 23:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療

2017年11月25日

新型腰痛って言うけど…


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すっかりご無沙汰してしまいました。(^^ゞ
11月に入って気温が下がってきたことや、睡眠不足だったりがたたったのか分かりませんが、久々に風邪を引いてしまいました。疸が喉にへばりついたような感覚が長く続いてかなりしゃべりづらい日々を過ごしておりました。自覚症状が出てから約3週間、やっとすっきりしてきました。
皆様も風邪にはご注意を!「手洗い」「うがい」「十分な睡眠」を心掛けましょう。特に今からは忘年会シーズンですから体調が優れない時は誘いを断って休息を!

さて、話は変わって…少し前に「あなたの治らない腰痛は『新型腰痛』だった」みたいな…とある番組でやってました。

最近、この手のタイトルって多いよな、と思いつつどんな内容か観ていました。
様々な腰痛がありますが、原因がはっきりしている腰痛はそのうち15%ほど。残りの85%は原因がよく分からないというのが現在の定説です。その原因が分からない腰痛の10%ほどはこの新型腰痛が該当するのではないかと番組では言っておりました。

それで、結論から言うとこの新型腰痛と言われているのは「殿皮神経障害」というものです。要は腰から殿部(おしり)の皮膚や筋肉に分布している神経が圧迫されたりして腰痛を引き起こしているということです。

対処方法としては殿皮神経が骨盤で擦れている場合は刺激されないよう手術をするようです。殿皮神経のブロック注射を行なうこともあるようです。あとは予防も兼ねたストレッチングです。ストレッチングはざっくり言うとおしりの筋肉のストレッチングです。

番組の中でもストレッチング方法は紹介されていたようですが、私が同様の部位のストレッチングを患者さんにお話する際は仰向けに寝た状態で膝を曲げ、足を組んだ状態で、足を左右に倒して殿筋などをストレッチングするようお話します。片側が終われば足を組み替えて反対側も行います。ポイントは痛みを感じるところまで延ばしすぎないことと、伸びている感覚が薄れるまで約1分間ほどは延ばしっぱなしにするということです。

日々の養生のためにも殿筋などの大きな筋肉は柔軟性を保つためにもストレッチングを行なっていただければと思います。

で、殿皮神経障害の対処についてはこのぐらいにしますが、どうも番組の作り方には腑に落ちないというかすっきりしないものがあります。

確かに原因がはっきりしない腰痛の中には殿皮神経障害のケースもあるとは思うのですが、原因不明の腰痛の大部分が該当するかのような作り方はいかがなものかと!

現代医学では腰痛ひとつ取っても細かく分類、分析して原因を探ろうとするので、いろんな病名や症状名が出てきますが、そもそも身体は繋がっている訳で、腰痛を自覚する患者さんの場合、特に背部から殿部、下肢に至るまで状態チェックをするのは東洋医学や鍼灸では当たり前のことです。他には内臓が関与することもありますし、トータルで身体を診察していれば原因がはっきりしなくても症状は改善していきます。

手術が必要な状態かどうかというような鑑別は必要ではありますが、原因追求よりも症状改善が優先されることの方が重要ではないかと思います。

今回のケースも、影響を受けている神経のひとつが殿皮神経だったということに過ぎず…では、どうして殿皮神経に影響が出てしまうような状態になったのか?ということについては原因は様々だと思います。大切なのは自覚症状が出てしまうレベルまで身体のバランスを崩さないようにするということではないでしょうか。


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 22:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療

2017年10月14日

餅は餅屋


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高齢者人口の増加に伴い、ここ数年は健康ブームと言えるでしょう。こぞってメディアでも健康関連の内容が多いですね。

健康への関心が高いということは良いことだと思いますが、いくつか注意も必要になります。

まずはメディアで取り上げている内容や推奨している健康法などがご自身に当てはまっているのかどうか?ということ。多くの媒体で伝えられている情報は一方通行ですから、伝える方は個々の状態を把握している訳ではありませんから情報を受け取る側がその情報の内容を精査する必要があります。

二つ目は、ご自身に合った健康法に出会えたとしてもどの程度の頻度でどの程度負荷をかけて行なうかについてはお体の状態に十分注意して行なう必要があるということ。

同年代であっても体格差もありますし、それまでどのような生活を送ってきたかは個々違いますから同じことができるとは限りませんし、結果も違ってくることが自然だと思って行なう方が良いと思います。

上記のようなことを考えると医学知識などが全くないという方には判断が非常に難しいと思います。となると、その道に精通した人のアドバイスが大切になってくると思います。つまりは「餅は餅屋」ということです。

ここでもう一つ注意なのですが、「餅は餅屋」と言っても、特に現代医学では専門分野が細分化されているので、注意が必要です。

現在、当院に通院されている方で、整形外科で骨密度お維持するためにもどんどん歩くようにと指導され、一生懸命歩いていた方がいらっしゃいます。この方は魂をつめてしまうタイプの方で何年も同じように頑張って歩行されていたそうです。歩き始めた当初は気にならなかったそうですが、ここのところ足の痛みを自覚するようになり、その痛みが継続するようになったと当院へ来院されました。

初診の段階で、明らかに歩きすぎ、つまりお体が年齢を重ねて変化しているのに同様に負荷をかけ続けたことで過剰負荷となっていたようです。この方は運動負荷を減らし、鍼灸治療を行なって初診で随分と体調が改善しました。

整形外科医の指示は確かに間違ってはいないのですが、短時間の診察では患者さんの性格はそれほど把握はできないでしょうし、運動量や頻度などの指示はなかったようですから、患者さんに的確な指示が出来ていたかと言われるとそうでなかったという結論になります。

これはまさに「餅は餅屋」からは逸脱していたということでしょう。整形外科医の中にはリハビリなどに明るい方もいるでしょうけども、多くの場合はそうでないと思いますが、患者さんにはなかなか分からないと思います。

現代医学では専門性が高くなっているが故に対応が難しいところもあります。それに比べ施術者によって得手不得手はあると思いますが、東洋医学では対応幅が広いと思います。

健康増進や予防にいろいろとされている方でいまひとつ体調が優れないという方は鍼灸師に相談してみるのもひとつの選択肢だと思います。


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 21:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療