2019年09月26日

夏期大学講座 第1日目午後のレポート〜中高齢者の膝関節症〜


ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると大変嬉しいです!
人気ブログランキングへ  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ  FC2ブログランキングへ

今更感は否めませんが……
(公社)兵庫県鍼灸マッサージ師会主催夏期大学講座第1日目午後のレポートです。

7月21日(日)午後は有明医療大学客員教授 宮本俊和による「高齢社会における鍼灸マッサージ〜変形性膝関節症を中心に〜」との演題の講演でした。

現在、人の体年齢は以前に比べ10歳ほど若くなっていることもあり、中高年齢の方が登山などアクティブに動いています。とはいえ加齢による体の変化はありますから不調を抱えながら活動している方も多いようです。その中で今回は膝関節を中心の講演でした。

膝関節は静的安定性と動的安定性で保たれている関節で、立位時は大腿骨と脛骨とその隙間を埋める半月板で支えており、大腿四頭筋やハムストリングスなどの筋肉はほとんど活動せずに静的安定性を保っています。

しゃがみこんだり階段昇降時は大腿骨と脛骨の関節面が少なくなり、大腿四頭筋などの筋緊張収縮により動的安定性が保たれています。

中高齢者では関節軟骨や半月板の変成と共に筋力の低下もみられるため、関節面に負荷がかからない様に減量や筋力強化の指導が重要となってきます。

他の講演でも中高齢者が対象の場合、筋肉の状態が非常に重要になってくるということが共通しています。

変形性膝関節症の場合では変形してしまった関節を元通りに治すことはできませんが、周囲の筋肉の状態を改善することでADLやQOLの向上が期待できると言うことになってきます。

膝関節周囲の疼痛や腫脹、熱感などに対して鍼灸マッサージは非常に効果的な施術です。局所治療では膝関節は他の関節と違ってかなり触診が可能な関節ですし、関連する筋肉も触れやすいこともあり、治療においては圧痛部位がポイントとなります。

例えば
大腿脛骨関節の内側型では疼痛部位は膝関節の内側が痛む、階段昇降時痛を患者は訴えます。この場合、圧痛は内側関節裂隙、鵞足部に出現します。陽性所見としてはしゃがみ込み時の痛みということになります。

このように圧痛部位とどの関節に異常を来たしているのかということが明確ですので、状態把握と治療ポイントの推察が行ないやすいと言えます。

また、筋肉の状態に関しては実際に疼痛を誘発する姿勢を取り、疼痛部位と筋肉の緊張具合などを確認することがポイントとなります。

症状の誘発素因を取り除きながら、筋肉の状態や筋力の改善などのリハビリ的な要素も指導していくことで患者の状態を改善、維持、予防になるということでした。

こういった、治療からリハビリ、予防までの指導を一貫して行なうには鍼灸マッサージはとても適していますので、膝の症状でお困りの方は相談していただければと思います。

鍼灸治療院 和み堂 公式サイトはこちらをクリック!
  *治療のご予約・お問い合わせもHPから行なえます。

鍼灸治療院 和み堂 Facebookページはこちら♪
  *休診日のお知らせなども行なっていきます。お問い合わせメッセージなどお気軽にどうぞ!「いいね!」もよろしくお願いします。
posted by 鍼医Kまたはハリー at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2019年08月08日

夏期大学講座第1日目 「認知症の最新医療」


ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると大変嬉しいです!
人気ブログランキングへ  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ  FC2ブログランキングへ

少し時間が経ってしまいましたが……
(公社)兵庫県鍼灸マッサージ師会主催夏期大学講座第1日目のレポートです。

7月21日(日)午前はふじた脳神経内科 院長 藤田賢吾先生をお迎えして「認知症の最新医療」との演題でご講演いただきました。

認知症を来たす疾患には数多くありますが、今回は主にアルツハイマー病とパーキンソン病についての講演でした。

パーキンソン病の特徴的な症状は、手足のふるえ(振戦)、筋肉や関節の動きが硬くなる(固縮)、動作がゆっくりになる(寡動)、転倒しやすくなる(姿勢反射障害)、歩く時に歩幅が小さくなる症状(小刻み歩行)、声が小さくなったり表情が硬くなったりする(仮面様顏貌)などがあります。

パーキンソン病の原因は脳内のドーパニンが減少することで発症すると言われていますがなぜ減少するかは未だ分かっていません。また、中脳にレビー小体という物質が蓄積することは分かっています。

そして、パーキンソン病の関連疾患でレビー小体型認知症というものがあり、これは厳格から発症し進行の早いパーキンソン症状を来たす疾患です。

現在、パーキンソン病の研究もかなり進んできており、将来的にはIPS細胞の移植というようなことも実現するでしょうが、現段階では薬物治療とリハビリテーションが主な治療法ということになっています。

また、レビー小体の蓄積は画像検査が可能な医療施設は限られますが、検査により把握できるようになってきているとのことでした。

アルツハイマー病は認知症を来たす疾患で最も多い疾患で、タウ蛋白や老人斑といわれる不溶蛋白質が脳内に蓄積して発症すると言われています。

アルツハイマー病は認知症を来たす疾患の中では薬物治療がかなり効果を期待できる疾患で、医療機関では薬物治療が中心となっています。

認知症については患者との接し方に気をつけることで不要なトラブルを避けることにもなりますし、そういう部分も周囲の人が知ることも重要とのことでした。

昨今は在宅リハビリテーションなどで往診中心に活動している鍼灸マッサージ師の先生方も多くなっています。

在宅リハビリテーションなどの場合、患者の高齢者比率が高くなりますから、同時に認知症を発症している方も少なくありません。

今回の講演はそういう点でも参考になった先生方は多かったと思います。


鍼灸治療院 和み堂 公式サイトはこちらをクリック!
  *治療のご予約・お問い合わせもHPから行なえます。

鍼灸治療院 和み堂 Facebookページはこちら♪
  *休診日のお知らせなども行なっていきます。お問い合わせメッセージなどお気軽にどうぞ!「いいね!」もよろしくお願いします。
posted by 鍼医Kまたはハリー at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2018年08月28日

兵庫県鍼灸マッサージ師会主催夏期大学講座第3日目 その2 〜これからの災害対策について〜


ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると大変嬉しいです!
人気ブログランキングへ  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ  FC2ブログランキングへ

前エントリーの続きです。
夏期大学講座第3日目の午後は神奈川衛生学園専門学校非常勤講師、東海医療学園専門学校非常勤講師、 (公社)全日本鍼灸マッサージ師会スポーツ事業委員長・災害対策副委員長、 朝日山治療室室長 他多数 の朝日山一男 先生をお招きして「これからの災害対策について」の演題で講演していただきました。

講演の前半は阪神淡路大震災以降、各地で発生している大災害に対して業団体の災害支援体制がどのように構築されてきたか、また現状がどのような体制になっているのかというお話と今後のビジョンについてお話をいただきました。

後半は南海トラフ大震災が発生したとの想定で、設定した地域から被災地支援へ向かうためのシュミレーションをグループワーク形式で行いました。

災害が発生した際の災害支援、ボランティア活動には様々な形があると思いますが、阪神淡路大震災が発生した頃は災害支援体制が構築されておらず大混乱したことは記憶されている方もいらっしゃると思いますし、2年前の熊本地震の際にも支援体制の構築が不十分だった部分があったことは記憶に新しいと思います。

災害医療体制については国際医療技術財団(JIMTEF)においてDMATを中心とする、多職種連携の講習が行なわれ、鍼灸マッサージ業団体も講習に参加することで医師、看護師等と連携して活動ができるようになってきたとのことでした。

また、鍼灸マッサージ業界においては業団体が複数存在しており、日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会など大きな業団体が連携して活動できるように体制が整ってきたとのことでした。

災害で被災された方は精神的にも肉体的にも経済的にも大きなダメージを受け、本当にお気の毒に思いますし、多くの支援を必要とします。
支援は必要に応じて行なわれるのが原則だと思いますし、そういう意味も踏まえて、指揮命令系統がきちんと確立された体制が整えられてきていることはよいことだと思います。

また、最近では災害はどこで発生しても何ら不思議ではありませんから、いつ、誰が被災するか分かりません。支援体制が整っているということはどこで災害が発生しても拠点になるところがあれば対応ができるということも大きな意義だと思います。
私は視力の関係もありますので、出来ることには限りがありますが、出来る範囲では何か役に立てればと思います。


鍼灸治療院 和み堂 公式サイトはこちらをクリック!
  *治療のご予約・お問い合わせもHPから行なえます。

鍼灸治療院 和み堂 Facebookページはこちら♪
  *休診日のお知らせなども行なっていきます。お問い合わせメッセージなどお気軽にどうぞ!「いいね!」もよろしくお願いします。
posted by 鍼医Kまたはハリー at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療