さて、本日は日本内経医学会の宮川浩也 会長をお招きして、「内経から読み解く自然治癒力」という演題でご講演と実技指導を行なっていただきました。ありがとうございました。
本日のお話を聞いて感じたことなどを少し書きます。
鍼灸治療はよく「陰陽、虚実に対する補瀉」を施すことが治療と言われ、古典書物にはそのような記載もされています。
ところが、現在は学問として成立しているために、もっと大本の部分が抜け落ちてしまっているという事があります。
そもそも治療というのは老子の道家思想が元で、その思想に基づいて治療体系が整理され、鍼灸という治療法として成立しているということになります。
なので、その大元の道家思想を知る、理解することで、本来の鍼灸治療が行えるということになります。
道家思想では「自然」ということが重視されていて、老子曰く自然のまま生きれば百まで生きられるそうです。
それは、人間も自然に生きれば、例えば飲食物を摂取すれば必要なものは体内に取り込んで、不必要な物は排泄するということが自動的に行われます。
この自然に行われることがスムーズに行えていれば、自然治癒力も同様に働き、不調を訴えることは少ないという訳です。
ところが、生きていれば何かと身体の内外から様々な影響を受けてバランスを崩し、本来備わっている自然治癒力が発揮されずに病を発症してしまいます。
なので、身体を本来の健康な状態に近づけるためには、低下した自然治癒力を少しでも向上させることが大事で、そのお手伝いをすることが治療ということなります。
そして、そのようなお手伝いを行うのが、本来の東洋医学に基づいた鍼灸治療ということです。
「自然」の反対は「人知」や「人為」となります。すなわち、人工的な物というのは自然ではなく不自然を生み出すということになり、西洋医学や現代科学というのは不自然を生み出しているということになります。西洋医学も現代科学も今となっては必要不可欠なものも多いですが、それらが、本来の自然治癒力を低下させている原因となっているというのは皮肉な話です。
また、鍼灸治療と一口に言っても、上述したような「陰陽 虚実に対する補瀉」ということを行なっていない鍼灸は本来の自然治癒力を高めるような鍼灸治療ではないということになります。
身体に現れた、虚実は不自然な状態でそれを鍼灸といった道具、主義でもって自然なバランスの取れた状態に戻すということが大事なところということ。
それから、治療を施す者も自然に近づかないとよい治療はできないでしょうし、治療もし全体で行なえることが大切です。
今は、国家試験もありますし、ある程度以上の知識が必須ですが、それは必要なことなのですが、それよりも、もっと大本の考え方や取り組む姿勢など本質的な部分が知識を得るよりも先に頭に入っていることがもっと重要で、それが人間力の向上にもなりますし、本来の治療を行なう上で必要不可欠なことなんだと再認識しました。
鍼灸治療院 和み堂 公式サイトはこちら!
ブログランキングに参加しています。応援クリック よろしくお願い致します。


