年齢や性別、職業などさまざまですから、同じ疾患名がついていたとしても、個々に状態の差はありますし、治療に要する時間もこれまたさまざまです。
治療を行っていく上で、症状そのものを除去していくことは、もちろん大切なことで、それが治療でもあります。
しかし、治療は何も施術を受けることだけではありません。施術を受けることは症状のなかった時の状態に身体のバランスを再調整することですが、それだけでは症状の除去がなかなか進まなかったり、一旦は消失した症状が再発することもあります。
症状を引き起こすには必ず原因があります。その原因に気づくことが、まずは必要です。
そして、治療家はその原因となることを示唆することも大切な治療の一環でもあります。
原因には日常や業務上などでの不良姿勢や五臓六腑のバランスの崩れ、食生活や睡眠など生活リズムの乱れや精神衛生上の問題だったりするかもしれません。
個々の状況は違えど、必ず何かが原因となっているはずで、それに気づくように導き、さらにそれらを解消するために行動に結び付けていけるように誘導していくことも大事な治療でしょう。
ところが、そういうことはよく伝わる人とそうでない人がいます。いや、こちらの伝える力が及ばなかった人がいるということ。
治療はよほど軽症で急性のものであれば、1回の治療で寛解することもありますが、たいていの場合は慢性化しています。
慢性化するには慢性化するまでの長いプロセスの果てに、つもり積もった原因の蓄積があります。
なので、その原因を見つめなおし、行動パターンを変えていかなければ、治療効果は低下してしまいます。
となると治療回数や頻度はどうしても増やしていかないと身体は治っていきません。少ない治療回数で治療が終了できればそれに越した事はないんですが、原因を見つめず、行動パターンも変えずに施術だけで治すということは大変です。
でも治療を受ければ、それだけで身体が治ると思っている方は結構多いんじゃないかと思います。
身体が治っていく方はご本人が意識しないレベルで、行動パターンに変化を起こすことが出来ているとも言えますし、そのような方には治癒への道標がうまくできたとも言えます。
ただ、そのような方ばかりだといいんですが、現実にはそういう訳にもいきません。治療回数が多くなると、違う治療を試してみたいという方もいらっしゃいますし、そのような心理はよく分かります。
症状や状態にもよりますが、治療に時間がかかるのには理由があります。それは違う療法を行ったとしても同じです。治療を受けて、治療前と全く変化がないというのであれば、身体に合わないということもあるでしょうけど、少しずつでも症状が少なくなっている場合には治療法がどうのこうのというよりも本質的な原因から目を背けているかもしれません。
バランスを崩した身体を治していくというのは一体どういうことなんだろうか?と考えてみることも大事なことです。
いよいよ明日、所属学会の記念講習会が開催されます。
参加される方、どうぞよろしくお願い致します。ひとつでも二つでも何か得ていただければと思います。
記念講習会って何だ?って方は古典鍼灸臨床医学会 ホームページをご覧下さい。
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が、それでも気付きがあれば、身体にマズイことを避けれるならば、避けようとしますし、避けられない時でも、それを解消するタメのストレッチなどをするコトも可能ですから、やはり何が自分にとってマイナスなのかを知ると知らないでは大違いですね。