2011年07月23日

難治の腰椎椎間板ヘルニアの鍼灸治療 and 講習会のご案内

腰椎椎間板ヘルニアという病名を知っている方は結構多いと思いますし、そのような診断を受けたという方もいらっしゃるでしょう。

という私もまた、鍼灸業界に身を置く前に患った病気でもあります。

最近は検査技術が向上してMRIの画像などではかなり細かいところまで鮮明に確認できるとかで、椎間板ヘルニアが発見されることは多いといいますが、ただ、必ずしも症状に繋がっているということでもないことが判明してきていて、理論が変わってしまうかもしれないということでもあるんですが、それはまぁ、置いておくとしましょう。

腰椎椎間板ヘルニアというと症状としてきついのは合併する坐骨神経痛ではないかと思います。

私も一番ひどい時は患側の足に体重がかかったり、一定の姿勢では激しい痛み(電撃痛と言ったりします)が発生し、その後、足の力が一瞬にして抜けてしまうというような状態を経験しました。

ここまでくるとまともに歩行はできないというか立っているだけでもしんどかったりします。

で、そのようなひどい状態からはしばらくして開放されたんですが、なかなかすっきりするレベルには到達できませんでしたし、やはり腰に負担がかかると痛みや痺れが出現してきます。

和み堂に来院される患者さんの話を聞くと、腰椎椎間板ヘルニアになった方の多くが背腰部に張りが出やすかったり、重度ではないにしても腰痛を自覚していたりすることも少なくないようです。

もともと腰椎椎間板ヘルニアになった方は仕事や身体の癖などいろんな要因で腰に負担がかかっていた可能性がありますし、病気をしたからと言っても仕事内容が変わったり、癖がなくなる方ばかりではありません。

なので、治療をしていく上でも身体を使い、腰にもそれなりに負担をかけながら治していくという、ちょっと非効率な治療をせざるを得ないことが多々あります。

で、そのような腰に負担をかけながらの治療で、なんとか症状が消失し、治療終了となった患者さんが、また一人ありました。

この患者さん、年齢は20代前半とお若いのですが、治療には8ヶ月かかりました。(^^ゞ
激しい症状は2ヶ月も経たない内に数回の治療で無くなったのですが、その後、すっきりするまでに半年かかったという事例です。

治療感覚は当初は週に1回。激しい症状が消失してからは1週間か2週間に一度、予定の合う日に治療を継続しました。

腰殿部、下肢に放散していた痛みは徐々に範囲を狭め、最終的には殿部、仙骨の概則の痛みが残っていました。

治療としては五臓六腑のバランスを整えた後に、デルマトームや支配神経領域も考慮しながら督脈や少陽胆経、太陽膀胱経の反応点を取りました。

この患者さんの場合に特に著名な反応、効果があったのは上仙、承扶、浮ゲキ、外合陽でしょうか。

外合陽は合陽穴の外方で、胆経と膀胱経の間あたりに反応が出ます。

腰椎椎間板ヘルニアで我々、鍼灸院に来院される方は結構、難治の方が多いのですが、継続して治療することで良い方向へ向かう可能性があります。

よく患者さんには「何回ぐらいの治療で治るのか?」というような質問を受けますが、状態は個々に違いがありますし、一概には言えないんですが、この患者さんのように数ヶ月かかる方もいれば、もっと短期間で治る方もいます。

こんな言い方をすると叱られるかもしれませんが、治療期間は症状が無くなるまでが治療期間ですし、治るかどうかも治るまで継続治療すれば直りますし、治る段階まで治療をしたから治ったというのが現実ではないかと思います。

もちろん、いろんな症例などからその時の状態で、おおよその治療期間のお話はできますが、それも個人差を考えればどこまで正確かはなんとも言えないところです。

症状が悪化しているということでなければあきらめずに治療を継続していただければ、きっとよい結果が実を結びますし、治療家は患者さんに治っていただくことが職務のひとつでもありますから!



という訳で、ここから私が所属する学会が企画した講習会のご案内です。
限られた時間ですが、脈診や腹診など東洋医学の診察法に興味がある、一旦はあきらめたが、もう一度学習してみたい、難しいと思って敬遠していたなどなど、ちょっとでもご興味があればご一報くださればと思います。

ご案内については古典鍼灸臨床医学会のHPに掲載しています。こちらも合わせてご覧いただければと思います。

「初心者の為の経絡治療講習会」

講習会内容:

古典鍼灸臨床医学会の講師による経絡治療・脉診・腹診等の講義 及び少人数グループに分かれての脉診・腹診・取穴・補瀉・経絡治療全般についてベテラン講師が直接指導致します。

受講料: 3,000円(先着70名、7月31日締切り)

日時: 平成23年8月7日(日) 10:00〜16:00

場所: 神戸市勤労会館

住所: 神戸市中央区雲井通5丁目1−2

電話: 078−232−1881

神戸市勤労会館の詳細はこちらをご覧下さい。

神戸市勤労会館の地図はこちら(google map)

申込先: 代表者 梅木茂樹 (078)976−4911

申込専用アドレス: info@kotensinkyuu.com

主催: 古典鍼灸臨床医学会 30周年実行委員会




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posted by 鍼医Kまたはハリー at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 東洋医学
この記事へのコメント
痛みを訴える患者さんの多くは、骨を硬くなった周囲の筋肉が圧迫するという場合が多い様に思います。

何とかして、筋肉を弛緩させるコトに成功すれば、大概の症状は消失するのですけどね。
Posted by koyuri at 2011年07月24日 22:33
筋肉の状態を整えることはとても大事ですよね。筋肉をいかに弛緩させるかということと逆に必要な緊張を与えるということで筋骨系の痛みは随分取れますね。
Posted by 鍼医K at 2011年07月25日 21:11
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