2011年07月22日

脳貧血の対処 and 講習会のご案内

臨床年数もそこそこ長くなってくると、いろんな疾患に出くわしますし、いろんなタイプの方にも出くわします。

体質にもいろいろありますし、個々、状態は違うんですが、そんな中、比較的に珍しいのは陽虚証・寒証タイプの人ではないでしょうか。

陽虚証タイプの人は陽気も陰気も虚している状態ですから、痩せ型で、筋骨も細く、色白で、あまり活動的ではなく、おとなしい感じの方が多いでしょうか。

で、この間、和み堂に、その陽虚証タイプの患者さんがいらっしゃいました。

脈を診ると沈・虚・弱というような脈状で、エネルギー不足が顕著な感じでした。

このような患者さんの場合、特に刺激過剰とならないように注意が必要です。というのも、気がかなり消耗したような状態ですから、刺激量が少しでも多くなるとドーゼオーバーとなって、身体の治療による反動が大きく出てしまうことがあるからです。

臨床経験の長い方なら、一度や二度はドーゼオーバーによって脳貧血を患者さんが起こしてしまったなんて経験もあるかと思います。

意外と学生の頃は練習する際には症状を想定してのことですし、学生同士の練習では刺激過剰となることもあるでしょうし、臨床実習では不慣れなことや自身の技量不足からも刺激過剰となって脳貧血を起こしてしまうことはありますが、たいていの場合はツボが正確に取れていないことも多いので、脳貧血を起こすところまで身体に反応を起こすことができなかったりします。

なので、学生の頃に脳貧血を起こしてしまうというのはツボが取れていたが、刺激量に問題があったということで、「いい経験をしたな!」ってな具合に言われることがあったりします。患者役の学生や臨床実習の患者さんにとってはたまったもんじゃないですけどね…

で、一番、気を付けないといけないのが、学校を卒業してそこそこ経験を積んできた1年や二年経った頃です。

ツボも取れるようになってきて、治療効果もそこそこ出せるようになってくると、つい症状を取ろうとするばかりに刺激過剰となってしまうことがあります。

まぁ、細心の注意を払っていたとしても、場合によっては刺激過剰となってしまうことはありますので、どうしても避けられないこともあります。

ただ、その場合にきちんと対処ができることが大事です。

脳貧血を起こしてしまったら、まずは患者さんを臥位にして安静にします。めまいや悪心が出ていたり、血圧が下がっていることがあるからです。症状が強い場合は嘔吐や意識が薄れるなどの症状を伴うこともありますから安全の面でも身体を安定した姿勢にする必要があります。

脳貧血は患者さんの体調によっても起こりやすい場合があります。睡眠不足や空腹、疲労が溜まっているなどです。問診時に食欲や睡眠の状況などを尋ねるのは、適切な刺激量にするためにも必要なことです。

そして、脳貧血は臥位つまりベッドに横になって治療している時にはまず起こりません。たいていは座位か立位で、首や肩周辺のツボを刺激した時に、一過性に首や肩の血流が改善することで身体の血圧の調整が追いつかない時に発症します。

東洋医学的には気の流れが急激に良くなったためというような説明となるでしょうか。

脳貧血は日常でも発症することがあって、軽ければ「立ちくらみ」などと言われる状態です。なので、治療中に脳貧血を起こしたとしても通常は数分で改善しますし、脳に異常をきたすことはありません。ただ、気を付けないといけないのは高血圧症があるとか高脂血症や動脈硬化があるなどで、短時間に血流が良くなることで、大きな身体の状態変化をもたらすことも可能性としてはありますので、十分注意しないといけません。

そのようなリスクもあるので、鍼灸という治療には国家資格が必要ということでもあるんですね。

で、脳貧血の対処ですが、身体を臥位にして安静にすること以外には「返し鍼」と言って、手三里や足三里に強刺激の鍼を行うことがあります。
陽明胃経の井金穴の「レイダ」の主治症にも脳貧血があったりしますね。

ということで、刺激過剰の一例として脳貧血について書きました。患者さんの身体を預かるということは大きな責任も同時に持つということですから、日々おごることなく、精進したいものです。



という訳で、ここから私が所属する学会が企画した講習会のご案内です。
限られた時間ですが、脈診や腹診など東洋医学の診察法に興味がある、一旦はあきらめたが、もう一度学習してみたい、難しいと思って敬遠していたなどなど、ちょっとでもご興味があればご一報くださればと思います。

ご案内については古典鍼灸臨床医学会のHPに掲載しています。こちらも合わせてご覧いただければと思います。

「初心者の為の経絡治療講習会」

講習会内容:

古典鍼灸臨床医学会の講師による経絡治療・脉診・腹診等の講義 及び少人数グループに分かれての脉診・腹診・取穴・補瀉・経絡治療全般についてベテラン講師が直接指導致します。

受講料: 3,000円(先着70名、7月31日締切り)

日時: 平成23年8月7日(日) 10:00〜16:00

場所: 神戸市勤労会館

住所: 神戸市中央区雲井通5丁目1−2

電話: 078−232−1881

神戸市勤労会館の詳細はこちらをご覧下さい。

神戸市勤労会館の地図はこちら(google map)

申込先: 代表者 梅木茂樹 (078)976−4911

申込専用アドレス: info@kotensinkyuu.com

主催: 古典鍼灸臨床医学会 30周年実行委員会




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posted by 鍼医Kまたはハリー at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学
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