2011年04月10日

骨折手術後のリハビリを効果的に行うには…

以前から診させていただいている患者さんの話。

手関節の骨折を昨年の秋にされていて、当初は手術なしで治療をしていた方で、私もその時から除痛や消炎の目的で治療をさせていただいていましたが、経過がいまひとつというか鍼治療後は症状の軽減がみられていたんですが、整形外科で脱臼しているとのことで徒手矯正を受けてから症状が悪化し、結局、転院し、転院先では手術が必要とのことで、手術をされました。

術後1ヵ月半ほどが過ぎて、骨折自体は治っているのですが、昨秋からあまり動かしていなかったこともあって、運動制限がなかなか取れず、しかも未だに痛みが出るとのことで、術後の経過は良いとは言えません。

で、病院でリハビリを行っているのですが、痛みが強くリハビリがあまり行えないということで、直近の数回は麻酔科で患者さんのお話ではおそらく星状神経節ブロックを行ってからリハビリをしているとのことでした。

麻酔が効いているので、リハビリはあまり痛みを感じずに行えるようで、しっかり関節運動などをしているようですが、そのリハビリ後は痛みが激しく、身体も動かせないほどのだるさが出たりでトータルでみれば決して良い状態とは言えないようです。

現在の通院先も遠方のために週1回ペースでリハビリをしているとかで、そのリハビリ間隔が長いことも経過がよくない一要因かもしれません。

私が治療を行う際は、リハビリも兼ねて行っているのですが、私が行うと痛みをあまり感じずにリハビリが行えます。

鍼治療を行いながらするからということもあるのですが、忙しい病院のリハビリ室では一人の患者さんに十分な時間を取れないことや次から次へと患者さんをさばいていかないといけない状況で施術が粗暴になっているのかもしれません。

私が思うに、リハビリを行う際のポイントは解剖学的姿位を意識しているかということです。

関節運動を行う時に関節にいかに負担をかけないかということを考えた場合に解剖学的姿位というのは非常に重要で、スムーズに関節を動かそうと思えば関節の位置をニュートラルにして行うことが大切です。
特に複雑な動きが出来る関節というのは関節の受け側とはまり込んでいる側の関係を見ると受け側が浅い構造となっていることが多いですから、関節の位置はちょっとしたことでひねりなどの負荷がかかります。

これをひねったりしない関節の動きにまっすぐになるような位置でまっすぐ動かしてあげると負担が少なく、効果的なリハビリができると思います。

まぁ、そのようなことも患者さんには説明して自宅でもリハビリを行ってもらってはいるんですけど、なかなか自宅ではうまくできないというのが現実のようです。もうしばらくは不自由な状態が続きそうな患者さんです。


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療
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