2011年03月15日

奇経を使用した顔面神経麻痺の治療

東日本大地震でまだ安否確認が取れていない人々が多いことや、被害状況が明らかになる中で様々な心配もありますし、原発の状況も気になるところですが、前回のエントリーに書いたように平常心を持って、粛々と日々の生活を行うことが大切だと考えますので、通常通りのエントリーをしたいと思います。

ブログを更新することはトラフィックの増大になり必要な通信に影響を与えるという指摘もありますが、疲弊していても事態は前進しませんし、疲弊感が広がってしまっては体調を崩す人を増やしてしまいかねないので、チェーンメールなどの過大にトラフィックを増大させてしまうようなことには注意が必要ですが、普段通りということも必要だと思います。

ということで、本題に入ります。

先日から顔面神経麻痺で来院されている患者さんがいらっしゃいます。20代の女性ということで、まだお若いのですが、年齢に関係なく顔面神経麻痺というのは発症してしまうのです。

で、顔面神経麻痺の治療というと耳たぶの後ろのツボの翳風(えいふう)や顔面にある下関(げかん)や大迎(だいげい)などは有名ですが、この間、奇経治療の勉強会に参加したこともあって、通常の経絡治療と併用して奇経を使用した治療も行いました。

奇経を使用した結果が良かったので、ご紹介しようと思います。
通常、奇経治療というと八総穴を使用した治療ですが、奇経治療の第一人者である宮脇先生の発案された奇経治療には手足の用命経や厥陰経を使用した治療があります。

顔面を流れる経絡は主にというかほとんどが用命経に属するので、経絡治療でも手の陽明大腸経や足の陽明胃経のツボをよく使用します。
奇経八脈も用命経と流注が重なったりするところもあるのですが、八総穴を使用した奇経治療ではいまひとつ効果がよろしくない、そこで宮脇先生が奇経八脈に加えて発見したのが手足の陽明脈や厥陰脈だったという訳です。

詳しくは宮脇先生の著書をご覧いただければと思います。
よくわかる奇経治療 第2版

それで、私が診させていただいていた患者さんは通常の治療で健側に比べて麻痺側が3割程度可動している段階で奇経治療を加えました。

経絡治療の本治法を施した時点で麻痺側は4、5割の可動に改善していましたが、さらに奇経治療を加えたところ5、6割の可動となりました。

この時は手の陽明脈の変動と診断して患側の合谷(ごうこく)を主穴として金粒鍼を添付。同じく患側の陥谷(かんこく)を従穴として銀粒鍼を添付しました。

その後、2回治療して左右の動作がほぼ同じとなりました。合計で5回の治療でした。

まぁ、そんな訳で治療効果がプラスになったんじゃないかという症例でした。ご参考に!


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 東洋医学
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