2011年02月26日

技術の進歩で理論が変わっていったとしても…

MRI(核磁気共鳴画像装置)を製造している患者さんとの話。
MRIはX線やCtと違って放射線被爆がなく、筋肉や軟骨などの軟部組織も画像化できるなど優れた点もあって、精密検査には重要な機械ということなんですが、検査を受けたことがある方なら、検査機械の騒音や機械内の狭さや検査時間が長いなどの苦痛などもご存知かと。

で、まだ国内には流通していないそうですが、手や足などを部分的に検査できるコンパクトなMRIも製造されているとかで、日本でも近い将来MRI検査が楽になるかもしれません。

まぁ、そうやって科学技術というのは日進月歩なのですが、技術が向上したがために今までの理論がくつがえされてしまうこともあります。

椎間板ヘルニアなどはいい例で、検査技術が向上するにつれて椎間板ヘルニアを持っている方が非常に多いことが分かってきたのですが、ヘルニアがあるからと言って必ず何らかの症状があるということではないことも同時に分かってきたのですね。

今までは椎間板ヘルニアによって引き起こされていると考えられていた症状が実はそうでもないかもしれないということになるのですが、これはこれで非常に大事なことなんだと思います。

ミクロの視点で診ていった場合に今までの理論がくつがえされていくということは新たな原因を探求するきっかけともなりますし、もっと決定的な原因に辿り着くかもしれません。

で、そういうミクロな視点も大事なんですが、原因が不明だけども症状があるという状態というのは珍しいことではなくて、どちらかというとかなり多いと思います。

そのような場合はマクロな視点が大事で、細かいところを突き詰めていくというのではなくて全体のバランスがどうかということが大事になってくると思います。東洋医学の考え方がちょうど当てはまるのですね。

どっちがいいとか悪いとかということではなくて、どちらも大事でそれぞれにメリット、デメリットがあって、要は状況に合わせてどちらの視点を重要視するかということが大事だと思います。「餅は餅屋」ということですね。


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タグ:MRI 餅は餅屋
posted by 鍼医Kまたはハリー at 22:35| Comment(2) | TrackBack(0) | ふと思ったこと
この記事へのコメント
椎間板ヘルニアも、筋肉が弛むと元通りになる場合もありますし、色々と注意深く見ていかないとダメなコトもありますね。
Posted by koyuri at 2011年02月27日 23:15
koyuriさん。そうですね。医学会の常識も10年も経てばずいぶん変わるとも言われていますから、常に再診知識を学習しておかないといけませんね。
Posted by 鍼医K at 2011年02月27日 23:35
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