鍼灸の保険取扱については何度か書いていますが、なかなか正しい認識が広がらないことに危惧を覚えますね。
本日あった患者さんの問い合わせなんですが、
「鍼灸治療を受けたいのですが、そちらは保険診療ですか?」
と尋ねられました。
鍼灸で保険治療を行なう場合は適応疾患であること、ドクターによる診断、所定の同意書またはそれに代わる診断書を添えて手続きが必要であることをお伝えしたのですが、お問い合わせいただいた方の認識はどうも違っていたようです。
お話の感じでは保険診療を行なえる鍼灸院と行なえない鍼灸院があるような感じで思っておられるようでした。
確かに、現行の保険制度は手続き上、患者さんにも手間が発生しますし、取扱をしないという鍼灸院もありますが、それはその鍼灸院の方針であって、保険診療ができる鍼灸院とそうでない鍼灸院があるということではなくて、たいていの鍼灸院は保険取り扱いも行っていたとしても、病院で保険証を出して保険診療を受けるという形ではないということなのです。
最近は鍼灸接骨院とか鍼灸整骨院なるものが多数ありますが、こちらは基本的に病院の窓口チで保険証を出して保険診療を受けるかの如く治療を受けることができます。
患者さんが鍼灸治療を受ける場合にそのような接骨院や整骨院のような認識となっているかもしれませんね。
通常、同一疾患で鍼灸の保険と他の病院や接骨院、整骨院での保険診療は併用はできないので、鍼灸接骨院や鍼灸整骨院で鍼灸治療を同時に受けた場合は鍼灸の治療については自費かもしくは鍼灸の治療費を請求していないということが考えられます。
なので、もしも患者さんが鍼灸接骨院などで鍼灸の保険診療を受けたという風に誤解しないようにきちんと説明が必要でしょうし、もちろん、きちんと保険取扱が行なわれていれば何の問題もないのですけどね・・・。
ここ数年の間に接骨院や整骨院を開設している柔道整復師による保険の不正請求がクローズアップされることが多いのですが、これはもちろんいけないことですし、不法行為を働いている者がいなくなることが一番です。
ところが、国や保険社サイドの財政が厳しいことも影響してか、以前と同じように保険請求しても不支給になることが増えていると聞きます。これは請求内容が妥当かどうかを審査する組織体制にも問題があるようなことを聞きましたが、緊縮財政で一番やりやすいところに白羽の矢が立ったとも言えなくはないと思います。
不正請求を行ったものが咎められることは当然と思いますが、保険社などから診療を受けた患者さんに問い合わせが増加したり、不正請求を働いた者が大々的に報道されたりを総合的に見た場合、業界のイメージダウンに繋がらないとも限りませんし、しいいては鍼灸治療も行っているとなると鍼灸業界にも悪影響が広がる可能性もあります。
そのようなことがいろいろと積み重なって業界のイメージダウンが広がると、業界にいる者にとっても不利益ですし、利用する患者さんにも不利益とならないとも限りません。
医療費の問題を考えた場合、多くの方が自費診療で健康体を維持することが一番抑制効果が高いと思いますし、疾患の治療はもちろん、予防医学としても長けている鍼灸などが患者さんの第一選択となるといいのにと思う今日この頃です。
そのようにするためには関係各業界が誠実に対応することが必要だと思います。
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ともあれ、再び連絡です。
「請求内用が妥当かどうか」は「請求内容」に、「白羽の屋」は「白羽の矢」にして頂きたいですね。