2017年07月23日

兵庫県鍼灸マッサージ師会主催夏期大学講座第1日目「股関節・膝関節・足関節の最新手術療法の実際」「慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)の鍼灸治療」

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本日は平成29年度兵庫県鍼灸マッサージ師会主催の夏期大学講座第1日目に出席してきました。
午前は「頸椎部疾患・下肢(股関節、膝関節、足関節)に対する手術療法の実際」との演題で大久保病院 明石スポーツ・関節外科センターの大西 康央 医師による講演を受講しました。

午後は「呼吸器疾患に対する鍼灸治療-主として慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する鍼灸治療-」との演題で明治国際医療大学鍼灸学部 明治東洋医学院専門学校教員養成学科の矢野 忠 先生の講演を受講しました。

午前の大西先生の講演では頸椎に起因する疾患の鑑別などの復習と再確認となりました。下肢の関節については大西先生が専門とされている関節鏡を用いた最新の手術療法について学習することができました。特に興味深かったのは膝関節の疾患で、半月板損傷がある場合、従来は断裂した半月板を除去し、一時的には症状が改善していても後に再発し、最終的に人工関節に置換していたような症例でも、半月板を縫合、再建し、骨切り術を行い自己骨や人工骨で重心を正しくかかるように膝関節を再建することでスポーツや正座ができる状態に改善させることが可能になっているということでした。しかも、それを関節鏡で行なうというのですから患者の負担も極めて少なくできるということでした。この術式自体は新しい術式ではないとのことでしたが、骨を固定するプレートの開発が進み、見直されている術式なんだそうです。同時にO脚などの変形を矯正するう手術を加えることで予後が良くなっているとのことです。もちろん、このような手術が不適当なケースもあるとは思いますが、手術適用で、スポーツを今後も行いたいという方には朗報だと思います。あとリハビリが重要なのは言うまでもありません。

午後の講演では超高齢化社会の影響もあり、近年増加の一途を辿っている慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)についての病態把握と鍼灸治療を行なうことでの研究結果を学習しました。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、「喫煙や有毒なガスの持続的な吸入が原因で発症する。気管支の炎症に加えて不可逆的な肺胞破壊から、持続的な咳嗽、喀痰、労作時の呼吸困難を主症状とする疾患である。」と定義されています。

軽症では自覚症状が無い場合もありますが、病態が進展し重症化すると安静時でも酸素ボンベを必要となることもあります。

喫煙の場合は1日の本数などにもよりますが、20年以上の期間を経て発症すると言われており、また高齢化することで呼吸機能が減弱し、日常動作(ADL)に著しく悪影響をもたらす疾患です。

COPDだけでなく生活習慣病というものは「一旦悪くなってしまうと基本的には元の状態には戻ることはない」ということになるのですが、鍼灸治療を行なうことで、状態が改善しADLが改善することでQOLが向上するということはあります。

日本においては「投薬する群」「投薬をしない群」「鍼灸を行なう群」「鍼灸と投薬を行なう群」というような比較検討する研究が難しいのが実情で、鍼灸だけの治療効果を判定することは難しいということですが、COPDの場合、投薬を行なっていても徐々に症状が悪化していく経過を辿るところが、鍼灸を加えた場合には症状が改善することは研究結果でも明らかということでした。

鍼灸治療を行なうことで抹消では呼吸補助筋の過緊張が和らぐことで胸膈の可動域が改善すること、筋疲労が改善することで呼吸補助筋力の向上が考えられるとのことでした。また、中枢においては呼吸困難により賦活されている部分が抑制されることや、βエンドルフィンが放出されることが呼吸機能の改善に繋がっているのではないかとのことです。

一旦、正常な機能を失ってしまった状態であっても、正常な状態には戻れないまでも状態が改善することでQOLを向上させていくことは可能ということで、現代医療に加えて、東洋医学を併用して行なうことが重要な時代になっているのだと思います。


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posted by 鍼医Kまたはハリー at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療
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